第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
ちゅんちゅんと、にぎやかな鳥の声が聞こえて、遼はゆっくりと瞼を開けた。
「ん…もう、朝かぁ……ん!?」
眼前に迫る整った顔に、遼は一気に覚醒する。同時に、状況が理解できずに混乱した。
「え、な、総悟くん?」
「朝からうるせぇ……」
「いや、あの、何で総悟くんがここに居るんですか」
「俺の部屋だから」
そう言われ、遼は首だけ動かして辺りを確認する。確かに、見覚えのあるここは沖田の私室だ。昨夜、遼はこの部屋で書類整理をしていた。
「私、もしかして寝ちゃいました?」
「仕事も途中で居眠りしてたから、わざわざ布団まで運んでやったんだぜ。感謝しろぃ」
「はあ、有難うございます?」
よくわからないままに答えた遼は、擦り合わせた脚が素肌である事に気付いて沖田の表情を窺う。
「あの、私はいつズボンを脱いだのでしょうか?」
「んなもん、俺が脱がせたに決まってんだろ」
当然のように答えられ、遼は軽い眩暈を覚えた。悪意無く悪さをするのが沖田なのだ。何を言ったとしても、うまくかわされるのがオチだろう。
「そうですか。お手を煩わせました」
「ああ、それから」
沖田の指が、ブラウスの上から背中を撫でた。指先が、ブラジャーのホックにかかる。
「えっ、ちょっ」
「アンタ、サイズが合ってねぇから太って見えるんだぜ」
「いやあの、突然何のアドバイスですか?」
「随分気にしてただろ」
「……私が太ったって言い出したの、アナタなんですけど──うわっ!」
ブラジャーのホックが外され、遼は思わず声を上げた。横になっているせいで、浮いたブラジャーがズレる。
「ちょっと、何するんですかっ!?」
抱きしめられたまま首筋を舐められ、遼は慌てて沖田を引き剥がそうとするが、腰を抱きしめられているせいで距離を取れないでいた。
「悪ふざけもいい加減に──っあ」
「いい声で啼けるじゃねぇか」
「んっ、ちょっ、もうやめ……」
ぞわぞわと這い上がってくるような感覚に、遼は涙目になりながら声を漏らす。それが一層沖田を煽り、遼を追い詰めていった。
鎖骨の辺りをちゅうっと音を立てて吸われ、遼は思わず悲鳴とも嬌声ともとれる声を上げる。
「んっ、ひあっ!」