第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
瞬間、部屋の障子がスパンっと勢いよく開けられた。
「総悟ォ、テメェいつまで寝腐って──」
時が止まる。
「ったく、コッチはお楽しみだってのに、邪魔しねぇで下さいよ」
「お楽しみじゃないです!ちょっと、総悟く……んうっ!」
「エロい声。アイツに聞かせるのは勿体ねぇな。つーわけで、出てってもらえやすかい?」
遼を抱き寄せたまま、沖田は挑発するように闖入者に声をかけた。そして、遼を抱き寄せて背中から腰、尻を撫でる。
「総悟くんっ、待っ──あ、んっ!」
「マジでヤッてるみてぇな声出すなよ」
「だったら手を離して下さいっ!!」
「総悟っ、いい加減にしろ!神武も、ちゃんと抵抗しやがれ!!」
布団をはがされ、遼は一瞬理解ができずに瞬きを繰り返す。勿論、布団をはがした当人も思いがけない状況に思わず黙り込んだ。
沖田に抱きしめられた遼は、上半身を纏うブラウスが胸元まで開いており、下半身は下着のみで白い素足には沖田の足が絡んでいる。
この状況で何もなかったとは考え辛い。
数秒の沈黙ののち、ばさりと布団が掛けられた。
「総悟、とっとと着替えて朝議に出ろ。話はその後だ。俺は先に行ってる」
「はいはい。ったく、風呂くらい入らせてくだせぇよ」
やれやれといった様子で遼を解放した沖田は、起き上がり軽く伸びをする。遼はほっとしながらブラウスのボタンをとめた。
(ああそうだ、ブラジャーも外れてるんだった)
ブラウスの裾から手を入れてホックをかけ直していると、立ち上がった沖田に見下ろされているのに気づいてそちらを見る。
「総悟くん?」
「後で買い物に行くから、用意しとけよ」
「は?」
ぽかんとする遼をよそに、沖田は「じゃあな」と言って部屋を出て行った。
「意味が解らない」
起き上がり、ズボンに足を通す。ぐっすり寝たせいか、体が凝り固まっていた。
「帰ってお風呂入ろう。今日は夜勤だから、その前に銀ちゃんの所に行ってみようかな」
大きく伸びをして軽くストレッチをすると、厠で顔を洗って自宅へ戻る。
土方を嵌めようという壮大な計画に巻き込まれたこの数日間は、身も心も擦り減ってくたくたになったけれど、楽しくもあった。
「まあ、もう二度とごめんだけど」
ーおわりー