第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
食事を終えた遼は、沖田の私室で資料整理の続きに勤しんでいた。
勿論、部屋の主である沖田も文机の前に座っている。
「座っているだけじゃ終わりませ、ん…ふわぁっ」
欠伸をかみ殺した遼に、溜息をついた沖田は「眠そうだな」と呆れた声をかけた。
「誰かさんのせいで寝不足なんですよ。取りあえず、今のが終わったら一旦帰って休んできます」
「屯所に泊まっちまえば良いじゃねぇか」
「お風呂入りたいですし、着替えも……」
満腹になったせいか、先ほどよりも眠気が辛い遼は、うとうととしたまま沖田と会話を続けるが、殆ど内容が頭に入ってこない。
「明日は副長と、見回りで、銀ちゃんにごめんなさいって……」
くらりと遼の体が傾き、沖田は慌てて支えた。
「本当に眠っちまいやがった。ったく、少しは警戒しやがれ」
無防備な姿に苛立ちが募る。男として見られていないのだと、改めて現実を突きつけられた気がして、穏やかに眠る遼の頬を抓った。
それでも起きないので、諦めて布団を広げてその上に寝かせると、悪戯心が湧き上がる。
「アイツだけ良い思いしたままなのも癪だしな」
遼の上着を脱がせてブラウス姿にすると、薄く下着が透けて見えた。
最近遼がやたらと体重を気にしていたのは、ブラウスの胸のあたりのボタンの間が開くようになったからだ。何故沖田がそんなことを知っているかというと、指摘したのが沖田だからに他ならない。
首元から一つずつボタンを外すと、遼の白い肌と傷痕が見えて沖田は手を止めた。
「上はいいか」
ベルトを取り、ズボンを引き抜く。
上半身ほどではないものの、腿に残る刀傷は痛々しく、年頃の少女には辛いものだと想像するには容易だった。
沖田が傷痕をそっと撫でると、くすぐったいのか遼が身を捩る。
「ふっ、敏感な奴」
上着とベストを脱ぎ、スカーフを外した沖田は遼の隣に横になると布団を被った。
遼を抱き寄せて胸に収めると、ゆるゆると眠気がやってきて、沖田は小さく「おやすみ」と呟くと目を閉じた。