第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
耳が痛くなるほどの沈黙に、遼と山崎は土方から目線を逸らし、青ざめた顔で畳の目を数えた。
そこに、地の底から響くような土方の溜息が聞こえて、遼と山崎は身を縮こませる。
「山崎ィ、どういうことか、もう一回説明してもらおうか」
「うえっ、ええっ、俺ですか!?」
「誰が、誰に嵌められたって?」
怒髪天を突いた様子の土方に、遼は山崎に怒りが向いている今の内に逃げてしまおうとこっそりと動き出して失敗した。
がっちりと肩を掴まれ、遼は錆びたカラクリ人形のようにゆっくりと振り返る。
「神武、お前にも聞きたいことが山ほどある」
「ふ、副長、あの、主犯は総悟くんで――って、いない!?」
いつの間にかに沖田の姿は消えており、土方の怒りは残された遼と山崎に向けられた。
ポケットから煙草を取り出した土方は、火を点けて目一杯煙を肺に送り込む。
「神武、山崎、泣こうが喚こうが、洗いざらい全部吐いてもらうぞ」
「やっぱり、そうなりますよね」
ニヤリと笑った土方に、遼は全てを諦めて肩を落とした。