第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
「今の電話、総悟からか?」
「うえっ、は、はいっ。そうです。あの、総悟くんに呼ばれているので失礼しますね」
「なあ」
「は、はいっ」
「本当に、総悟と付き合ってるわけじゃねえんだよな?」
呼び止められてまでされた質問に、遼はぽかんと口を開けて硬直する。何故そんな質問をされるのか理解ができなかったし、土方がどんな答えを求めているのかがわからなかった。
「副長、あの……」
「総悟だけは、名前で呼ぶよな」
「はぁ、名字で呼んでも徹底的に無視されますから。それに、総悟くんは同い年ですし、あまり問題はないかと。一応、任務中は「沖田隊長」って呼んでますよ」
説明をするが、土方の表情は険しくなっていく。沈黙に耐えられなくなった遼は、「ではこれで」と、逃げるように部屋を出て、大急ぎで沖田の部屋に向かった。
勢いよく障子を開けて中に飛び込むと、沖田に頭を掴まれる。
「痛っ!ちょっ、ギブギブ!!頭割れますって!!!」
「一回割って、中身を確認してやろうか」
「お、沖田隊長、冗談に聞こえませんって。そろそろ離してあげてください」
堪らず割って入った山崎に制止され沖田は漸く手を離した。
「本当に割れると思った……」
頭を押さえて蹲る遼を見下ろして、沖田は盛大にため息をつく。
「ったく、取り敢えずネタバレは後回しだ。じっくり焦らして、万事屋の旦那顔負けの動画を作ってやるぜ」
「ええっ、まだバラさないんですか!?」
「当たり前でぃ。けど、予想外だったな」
「何がですか?」
首を傾げる遼と山崎に、沖田はやれやれと肩を竦めた。遼はともかく、山崎まで気が付かなかったのは意外だった。
「土方のヤローが、言ってただろ?
「責任取る」って」
「ああ、そう言えばそうですね。でも、あの状況ならそう答えるんじゃないですか?」