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魂の色【銀魂短編夢】

第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】


「たしか、神武と総悟が部屋まで送るって言ってたよな。それで、確か……」

部屋に戻ったところまでは記憶にあるのだが、その先が全くわからなかった。けれど、この状況が物語ることは一つしかない。すっかり眠りこけている遼を引きはがし、脱ぎ散らかしている下着と着物を身に着けた土方は、体を起こして改めて周囲を確認する。
そして、目に入ったのは、明らかに使用済みと思われる避妊具。それも、一つではない。

「いやいや、まさかそんな。もしかして、神武と……?」

心のどこかで、覚えていないなんて惜しいことをしたなと思っている自分がいて、ぎゅっと眉間を押さえた。
改めて状況を整理して考える。
しかし、何度考えても記憶がないので、諦めた土方は遼を揺り起こした。

「おい、神武、起きろ。頼むから、起きて状況を説明してくれ」
「んうっ、うるさい……」
「おいコラ、さっさと目ぇ覚ませ!」

ぎゅっと頬を抓ると、漸く遼が目を覚ます。ぼんやりと開いた眼は、焦点が定まるまでにしばらくの時間を要し、ゆっくり覚醒した遼は横になったまま土方を見上げた。

「ん……え、副長?」
「ちょっと待て。起き上がる前に服を着ろ」
「へ?
 えっ、うわぁぁっ!」

状況を思い出した遼は、慌てて布団の中に潜り込む。

(やばいっ、本気で寝てた!なんだっけ、何て言えばいいんだっけ??)

完全にパニックに陥った遼は、沖田に助けを求めようとイヤホンに手を伸ばすが、そこに有るはずの物がなく、ますます焦って今後の展開を思い出せなくなった。

「神武、ほら」
「ぅえっ?」

布団の中に、脱ぎ散らかしていた着物と下着が押し込まれ、遼は真っ赤になりながらも慌てて下着と着物を身に着ける。
それでもやはり恥ずかしく、布団を被ったまま頭だけを出した。

「あ、あの、副長……その、えっと」
「悪かった」
「え?」
「何も、覚えてねぇんだ」

神妙な表情で告げられ、遼は一瞬怯んでしまう。その様子をどう受け取ったのか、土方は険しい表情のまま言葉を続けた。
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