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魂の色【銀魂短編夢】

第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】


沖田の回答に、遼は数秒凍りついた。理解できなかったわけではない、理解してしまったのだ。

「土方さんの事だから、マヨネーズの匂いがしてもバレねぇだろ」
「沖田隊長、副長に聞かれたら切腹させられますよ。えっと、遼ちゃん大丈夫?」
「へっ、えっ、あ、だっ、大丈夫ですっ」

顔を赤くして狼狽える遼に同情しつつ、山崎はとんでもない計画に巻き込まれてしまったと溜息をつく。

「こんなもんだな。遼、土方さんが起きたらそれっぽく振る舞えよ」
「わかっ、て、ます」

「じゃあな」と出て行った沖田と山崎を見送り、遼は部屋の隅で膝を抱えた。この後の事を考えると、キリキリと胃が痛んだ。
目が覚めた土方をうまく騙せる自信なんてない。
寧ろ、初っ端からキレられる可能性がある。

「ここまできたら、ぐずぐずしても仕方ないよね」
『おい、遼、聞こえるか?』
「えっ、あ、総悟くん?」

聞こえてきた声に一瞬驚くが、耳につけたイヤホンからだとわかり、「何でしょうか」と返答する。

『遼、服脱いで土方さんの隣で横になってろ』

沖田の指示が理解できず、遼は思わず聞き返した。

「ん?え??」
『裸で隣に居る方が、臨場感がでんだろ』
「ん???」
『最後だぞ。裸で、土方の隣に、寝ろ』

完全な命令に、遼は全てを諦めて「わかりました」と答えると、布団に潜り込み、どうにか着物を脱ぐ。

『脱いだ着物は、適当に投げとけ』

指示通りに着物を布団から出して脱ぎ散らかした体を装う。どれだけ手が込んでいるのかと呆れていると、沖田に名前を呼ばれた。

『遼、下着』
「……あの、」
『裸になれ』

容赦ない沖田の指示に、遼は渋々下着を取り、着物同様布団の外に出す。
暫く土方も目を覚まさないだろうと思うと、途端に気が抜けて眠気がやってきた。

「ふあっ……あぁ」

互いに裸でいるせいか、妙にぽかぽかしてきて、それがますます眠気を誘う。

「ちょっとだけ……」

遼は一つ欠伸をすると、目を閉じた。
別室でモニターしていた沖田と山崎は、聞こえてきた新たな寝息に頭を抱える。
いくら何でも無防備すぎるのではないだろうか。
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