第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
「はぁ?!
嫌ですよ。総悟くんがして下さい!」
「ちっ、仕方ねぇな。おい山崎、やれ」
いつの間にか現れていた山崎に命令した沖田は、文句を言う山崎を蹴り上げ引き摺り出した。
「山崎、命が惜しけりゃやれ。計画はわかってんだろ?」
「えっ、でも何で俺が──」
抜き身の刀を向けられ、山崎は「ひっ」と息を飲み、慌てて言われた通りに動く。遼は急いで部屋から出ると、満天の空を見上げて合掌した。
(副長、ごめんなさい。うっかり総悟くんに話した私が全部悪いんです。だからどうか、どうか許して下さい。私も被害者ですから!!)
遼が必死で謝罪の言葉を唱えていると、部屋から出て来た沖田に背中を小突かれる。
「うわっ」
「終わったぜ。次は遼の番だ」
「わかりました」
覚悟して部屋に入ると、山崎が細々と何かを用意しており、遼は首を傾げた。
「何してるんですか?」
「ああ、カメラを仕込んでるんだよ。俺と沖田隊長は別室でモニターしてるから。あの、遼ちゃん……頑張ってね」
山崎の声援に遼がから笑いを返していると、突然背後から耳を塞がれる。
「うわっ、何するんですかっ!?」
「耳。指示するからつけとけ。ちゃんと台詞は覚えてんだろうな?」
「覚えてますよ。えっと「ひどい、はじめてだったのに」ですよね」
「もっと感情込めやがれ。バレたらどうすんでぃ」
頰を抓られ、遼は「痛い」と訴えるが、沖田はますます強く抓ってから手を離した。
「もうっ、痕がついたら責任取って下さいよ」
「いいぜ。責任でも何でも取ってやらぁ」
「そうですか。その際は宜しくお願いします」
やれやれと溜息をついた遼に、沖田は聞こえない程小さな声で「鈍感」と呟く。
「沖田隊長、こっちは準備OKです」
「おう。じゃあ、仕上げにこれを……」
そう言って、沖田はマヨネーズを取り出すと、何かにそれを詰めて土方の枕元に投げた。それの正体に気付いた山崎は、明らかに顔を引き攣らせるが、遼は首を傾げて沖田の手元を覗き込む。
「何してるんですか?」
「それっぽく見えんだろ?」
「それっぽくって……」
「使用済みコンドーム」