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魂の色【銀魂短編夢】

第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】


「副長も、どうぞ」
「何だ、随分殊勝な態度だな。毒でも盛ってんのか?」
「……盛ってるかもしれません」

神妙な顔で答えた遼に、近藤と土方は一瞬手を止めて遼をじっと見つめた。

「冗談ですよ。総悟くんじゃあるまいし」
「総悟、くん?」

聞き逃さなかった土方の眉がピクリと動く。

「そういや遼ちゃん、最近総悟の事を名前で呼んでるな。えっ、まさか総悟と付き合ってるとか?!」
「……何でそういう事になるんですか。名前で呼ばないと返事してくれないんですよ」
「へぇ、随分仲良くなったんだな」
「仲良く……そうですね、多少は」

心の中で「嬉しくないけど」と呟いて、遼は改めて土方を向く。

「で、副長もお注ぎして良いですか?」
「ん、ああ」

杯を向けられ、遼はほっとして酒を注いだ。注がれた酒を少し眺めて、土方は一気にそれをあおる。

「うまい」
「それは良かったです。総悟くんおすすめのお酒だそうですよ」
「ふうん」

興味なさそうに返事した土方は、空の杯を差しだし、遼は苦笑しつつも二杯目を注いだ。

「あっ、遼ちゃん、俺も」
「はい、どうぞ」

近藤の杯に注ぎながら、遼は覚悟を決めてその時を待つ。
幾つ目かの徳利が空になった頃、土方が船をこぎ始め、遼はごくりと喉を鳴らした。

「ふ、副長、あの……眠いなら、部屋に戻られた方が」
「ん、ああ……」

相当に眠たいのか、ぼんやりとした返事をする土方を揺さぶるが、唸るばかりで反応が鈍い。

「あーあ、ガキみてぇに眠そうな顔になってやすぜ」
「るせー……」
「ほらほら、部屋に連れて行ってあげやすから。遼も手伝え」
「は、はい……副長、立てますか?」

ふらふらと立ち上がった土方を支えながら、遼は沖田と一緒に土方を部屋まで運び、布団に寝かせた。

「あの、大丈夫ですか?」
「ん、……わりィ」

目を閉じた土方は、間もなく寝息をたてはじめ、遼はほっとしつつ沖田を見やる。

「総悟くん、本当にするんですか?」
「ここまで来て怖じ気付いたのか?」
「だって……絶対怒られますよ。主に私が」
「そん時ゃそん時だ。ほら遼、さっさと土方の着物脱がせろ」
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