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魂の色【銀魂短編夢】

第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】


数日後、真選組屯所。
何度目かの新年会(と言う名の酒宴)が行われていた。一部を除き、殆どの隊士が集まっており、いつも以上に賑わいを見せている。
そんな中、遼は落ち着かない様子で沖田の隣に座っていた。

「オイ、あんまり不自然だとバレちまうぜ」
「いやだって、無理ですよあんな計か──いっ!」

太股の辺りを沖田にぎゅうっと抓まれて、遼は思わず悶絶する。

「たっぷり脂肪がついてるから抓み易いぜ」
「っ、当たり前です。女性の体の方が脂肪が多いんですから」
「確かに、無駄についてるな」
「……セクハラ」

沖田の言わんとする事を察した遼は、じろりと睨みつけるが、どこ吹く風で全く効果は無い。

「沖田隊長、本当にやるんですか?」

呼びかけても無視をされ、遼は溜息をついて呼びなおす。ここ最近、沖田は仕事中以外に名字で呼んでも対応してくれないのだ。名前で呼べばいつも通りに反応するので、已む無く名前で呼んでいるが、その光景を一部の隊士に怪しまれているので、遼としては本意ではない。

「総悟くん、本当にやるんですか?」
「当たり前ぇだろ。コッチは準備万端だぜ」
「私の準備は全然なんですけど……」

呆然とする遼をよそに、すっかりその気になった沖田は「行ってこい」と遼に徳利を渡す。渋々それを受け取った遼は、重い足取りで上座へ向かった。
ちらりと沖田を振り向くと、早く行けと言わんばかりに凝視され、逃げ道は無いのだと諦める。

(私のバカ、マヌケ。沖田さんに話したら碌な事にならないってわかってたのに)

溜息を飲み込んで、すっかり出来上がっている近藤の傍に行くと、遼はにっこり笑って「いかがですか?」と徳利を見せた。

「おお、遼ちゃん、有難う。でも、酌なんてして回らなくてもいいんだよ」
「いえ、私はお酒が飲めませんので」
「そうか。じゃあ、一杯」

出された杯に酒を注いで沖田を盗み見ると、すごい顔で見られていた。

(わかってます!ちゃんと実行しますから、そんな目で見ないで下さいっ!)

背中に視線を感じながら、遼は近藤の隣に座る土方にも声を掛ける。
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