第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
そこでは既に沖田と一番隊の隊士達が待ち構えており、簡単な引継ぎを済ませる。
「では、お疲れ様でした。──って、沖田隊長は戻られないんですか?」
「今日はアンタと見廻りに変わったんでぃ」
「そうなんですか?
では、宜しくお願いしますね」
「おう。所で遼、今までどこに行ってたんでぃ」
「万事屋にちょっと。新八くんと神楽ちゃんが面白いものを見せてくれるって……」
そこまで告げて思い出し、遼は堪らず口元を押さえた。
「そんなに面白かったのか?」
「っ、ふ、いや、ちょっと衝撃的で。ふふっ、あの顔で暫く笑えそうです」
目尻に涙を溜めて笑いを堪える遼に、沖田は首を傾げながらも少し驚く。
「アンタがそんなに笑ってるなんで、初めて見たぜ」
「あぁ、そうかもしれません。お腹抱えて笑うなんて、十年以上ぶりかも」
「へぇ、それはそんなに面白ぇのか?」
「はい。実はですね……」
言いかけて、遼は慌てて口を閉じた。流石に銀時に無断で話を広げるのは忍びない。
「銀ちゃんの顔が面白かっただけです」
「俺に誤魔化しが効くなんざ思ってねぇよな?」
カチリと刀を抜く音が聞こえ、遼は首を横に振った。
「ご、誤魔化しだなんてとんでもない!」
「じゃあ、肝心な部分まで話して貰おうか。それとも、話したくなるように調教してやりやしょうかい?」
(ヤバい。マジだ)
本当に調教されかねないと、遼は諦めて事の顛末を話した。
「実は、銀ちゃんが忘年会で酔ってみんなに迷惑を掛けたみたいなんです。それで、仕返しにってみんなで銀ちゃんをハメてドッキリをした映像を見まして。その顔が……」
「成る程な。じゃあ、見廻りの間、旦那をどうやってハメたのかを詳しく喋って貰おうか」
「やっぱり、言わなきゃ駄目ですよね~」
心の中で銀時に謝罪しながら、遼は沖田に全てを語る。そして、沖田の中で碌でもない計画が爆誕した。