第22章 本気で悪戯すると後が大変【沖田、土方夢?】
万事屋に遊びに来ていた遼は、新八と神楽の用意した映像を見て、目尻に涙を浮かべて笑いを堪えた。
「なっ、何これ、っく、笑っていいやつだよね?」
「思いっきり笑ってやったらいいネ。自業自得アル」
「本当、大変だったんですよ。お店の修理代とか、迷惑料とか。これでも銀さん懲りないんですから」
「銀ちゃん昔から悪酔いするタイプだからねぇ。それにしてもこれは……」
一時停止された画面を見て、遼は再びお腹を抱える。
「っく、ふふっ、夢に出そう」
「とんだ悪夢アルな」
ゲラゲラと笑い声が響く万事屋に、ふらりと話題の人物が帰ってきた。
「おー、随分楽しそうじゃねぇか」
「おかえり銀ちゃ……ふっ、くっ」
銀時の顔を見るなり、遼は堪えきれずに口元を抑える。
「ごめっ、銀ちゃんこっち見ないで」
「何でだよ」
「銀さんの悪行を伝える為に、この間の映像を見てもらってたんですよ」
「悪行ってまさか……!」
「六股アル」
神楽の一言に、遼は思わず吹き出した。
「おい遼、お前何笑ってんだ」
「いやだって、あの顔……暫くあのネタで笑えるよ。どうせなら、ヅラと辰馬にも見てもらったら?」
目尻の涙を拭いながらとんでもない事を提案する遼の頭をバシりと叩いた銀時は、テレビを消して新八と神楽にも拳骨を入れる。
「本当お前らいい加減にしろよ。人の不幸を笑ってられるのも今の内だからな!」
「叩かなくてもいいでしょ。そもそも……」
遼が息巻いて反論しようとすると、万事屋の電話が鳴り出し、新八が慌てて対応する。
「はい、もしもし万事屋です。はい──」
「じゃあ、私もう帰るね。銀ちゃん、お酒は程々にね」
「またね」と言って万事屋を後にした遼は、見廻りを終えたであろう沖田と合流するために、目的地へ向かう。