第20章 愛、屋烏に及ぶ【近藤裏夢】

渋々納得した遼は、先ほどよりも丁寧にそれを舐める。手の中で近藤のものがピクリと震えるたび、遼は腹の奥がぞくぞくとして、秘裂が潤んでいくのが分かった。
自分でも制御できないほどの欲望が、脳や体を支配していき、はしたないとわかっていつつも、本能のままに求めてしまう。

「っあ、遼さん、もういいよ。そろそろ、君の中に挿れたいから」
「んっ、はい。では、失礼いたします」
「えっ？」

遼はサイドテーブルからローションを取ると、それを掌に出して近藤のものに擦り付けた。
その行動に近藤が驚いていると、遼はにこりと笑って近藤の体の上に跨る。遼が何をするつもりか気付いた近藤は、慌てて制止した。

「遼さんちょっと待って、まだゴム……っ！」
「んっ、はぁっ。入ってしまいました」
「遼さん、抜いてっ！」

これ以上先へ進まないよう腰を掴んだ近藤に、遼は不思議そうに首を傾げる。

「気持ち良く、なかったでしょうか？」
「んっ、いや、気持ちいいけど、まだゴムつけてないでしょ」
「ああ、そうですね」
「そうですねって……。俺たちまだ、婚約したばっかりだし、君の事は大切にしたいっていうか」

言い淀みながら答える近藤に、遼は甘く痺れるような感覚に陥った。
愛されていると、実感する。

「勲さん。愛しています。だから、このまま」
「っ、そんなこと言われたら、もう我慢できないって」

観念した近藤は、掴んだ遼の腰をゆっくりと自身へ沈めていった。

「んっ、ふあっ、ああっ」
「っく、あ、そんなに締めちゃダメだって」
「あっ、だ…め、んぅっ」
「は、あ、すごい。奥まで入っちゃったね。遼さん、手ぇ繋ごうか」

遼が言われるがままに手を伸ばすと、近藤は指を絡めてその手を握る。
躊躇いつつも指先に力を込める遼に、近藤はくすりと笑った。

「こういうの、恋人繋ぎって言うんだよ」
「っ――」
「ほら、遼さん、動いてごらん。その方がもっと、気持ちよくなれるから」
「はい……んっ」

ゆっくり前後に腰を動かすと、花芽が擦れて快感が高まった。