第20章 愛、屋烏に及ぶ【近藤裏夢】
微笑んだ遼に違和感を覚えながらも、近藤は言われるままベッドに横になった。瞬間、遼は恍惚の表情を浮かべて唇を舐める。
ぞくぞくと、湧き上がってくる欲望の正体に気付かぬふりをして、遼は身に着けていたものをすべて外して近藤の体の上に裸で跨った。
「え、ちょっ、遼さん?」
「いっぱい、気持ち良くなって下さい」
うっとりとした表情を浮かべた遼は、近藤の頬を両手で包むと深く口吻る。
舌を絡ませ、わざとらしく音を立てて口内を犯す遼に、近藤はされるがままになり、堪らず声を漏らした。
「んあっ、んっ……」
「っは、——ふふ、とっても可愛いです」
ぐっと体を押し付けた遼は妖しく微笑むと、近藤の首筋から鎖骨までをゆっくりと舐め、帯を解いて袷を広げると、指先で胸の先端を弄る。
「ちょっ、遼さ——んっ」
「どうですか。いつも勲さんがしてくれるみたいに、できていますか?」
「えっ、いや、俺がしてるみたいにって——っあ」
胸の先端に軽く歯を立てた遼は、反対側は指で弄りながら近藤の様子を窺った。些か苦しそうな近藤の表情からは、自分のしている行為が気持ちいいのか判断がつかず、悩みながら空いている手を近藤の下半身に伸ばす。
「良かった。感じて下さっているんですね」
硬く、質量を増し始めているそれを下着越しにぎゅっと握ると、近藤が苦しそうに呻いた。その声だけは、遼の記憶に覚えがあり、安心したように吐息を漏らす。
「続けますね。痛かったり、嫌だったらおっしゃってください」
「え、あ……うん」
頷いた近藤を確認すると、遼は跨ったまま身を起こす。そして、ゆったりとした手つきで近藤の体を撫でていった。頬から首筋へ。鎖骨を通って胸から腹へと。
「やはり、すごいですね」
「っ、え、な、何が?」
「勲さんの体です。硬くて、ごつごつしていて……とっても、気持ちいいです」
遼の絶妙な言葉選びに、近藤はびくりと体を震わせた。
それに気づいた遼は、壊れ物でも扱うように近藤の腹筋を何度も撫でる。