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魂の色【銀魂短編夢】

第16章 企画(沖田・新八夢)


膝を折り、身を屈めて衝撃に備えた遼は、いつまでも来ないそれに不審に思い、きつく閉じた目を開ける。

「大丈夫ですか?」
「えっ、あ、うん……って、新八くん大丈夫!?」
「何とか。意外と中身は軽かったみたいです」

庇うような形で遼に覆い被さった新八の背には、崩れた段ボールが折り重なるようにして乗っていた。

「ちょっと待って、段ボールを退けてみるね──っあ!」
「うわっ!」

遼が新八の脇から手を伸ばして段ボールに触れようとした瞬間、新八はバランスを崩し、遼を巻き込んで倒れ込む。
突然のことに支えきれなかった遼は尻もちをついて床に寝転んでしまい、慌てて手を着いた新八が床ドンをしたような形になった。

「すみませんっ!」
「っ、──大丈夫大丈夫。ごめんね、私が余計な事を。新八くん、怪我とかしてない?大丈夫?」
「ぼっ、僕は大丈夫です。荷物が壁につっかえたおかげで、背中には乗ってないので」
「でも、そのままの体勢じゃ辛いでしょ?
 私に凭れていいよ。新八くんの体重くらいなら、大丈夫だから」

魅力的な提案に、新八は思わず頷きそうになるが、なけなしの理性を総動員して「このくらい平気です」と、苦笑する。

「無理しないでね。しんどくなったら──ん?」
「どうしました?」
「何か、手に当たって……何だろう、柔らかい……棒?」

眉間に皺を寄せ、遼はそれを探った。どうやらソレは一つではなく、遼の手元にいくつか転がっているようで、遼はますます首を傾げる。ふと、新八の背後の段ボールに目をやると、その幾つかが封が開いて中身が飛び出していた。

「何あれ……?」

訝しげな遼の表情に、新八は首を動かしてそちらを見て後悔する。

「なっ!」

新八の目に飛び込んできたのは、所謂【大人のおもちゃ】と呼ばれる類の物で、二人の視線の先には鮮やかなピンク色をしたソレがパッケージされた箱が顔を出していた。
まさかと思った新八は、ゆっくりと遼の手元に視線を動かし息を飲んだ。
遼の手には、箱を突き破って出て来てしまったであろう物が数本散らばっており、馴染みのあるその形をしたそれに、新八は思わず声を上げる。

「遼さんっ、ソレっ、離して下さいっ!」
「へ?」
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