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魂の色【銀魂短編夢】

第16章 企画(沖田・新八夢)


沖田ルート

資料室に来た遼は、中に居た隊士達とにこやかに挨拶を交わすと、先日取り扱った事件の資料が並ぶ棚に足を運んだ。

「まさか普通に仕事してるなんて思わないだろうし、見つかったら見つかっただよね」

資料整理に夢中になっていたせいで、背後から近付く気配に気付かず、突然口を塞がれる。

「んうっ!」
「何やってんでぃ」
「げ、沖田さん」
「何だコレ?」

沖田は露骨に顔を引き攣らせた遼の手からファイルを奪い取ると、適当な棚に押し込めた。

「ああっ、読んでたのに」
「本気で隠れる気あんのか?」
「いやー、見つかったら見つかったかなって」
「へぇ、いいのか?」

ニヤリと笑う沖田に、遼はぞくりと背筋を震わせる。

「な、何ですか?」
「罰ゲーム。遼に罰ゲーム受けさせようってのは、俺だけじゃねぇんだぜ」
「は?」
「万事屋の旦那と新八、終兄さんと山崎。それから、土方さんも」
「殆ど全員じゃないですか!えっ、私何か悪いことしましたか?!」
「そんなの、全員遼と〇〇〇するつもりに決まってんだろ」

恐れ戦く遼に、沖田は事もなげに言ってのけると、資料室をぐるりと眺めて「隠れる場所はなさそうだな」と呟いた。

「お、沖田さん……冗談ですよね?」
「何がだ?」
「罰ゲームの内容」
「……さあ?」

ニヤリと笑った沖田に、遼は体温が2度ほど下がったような気がして思わず自身を抱きしめる。

「だってそんなの、誰にもメリットが無いじゃないですか。何で私と──」

言いかけて、遼は勢いよく扉の方を振り返り、そちらに集中した。
聞こえてきた足音と声に、遼は慌てて隠れられる場所を探す。

「ヤバい、副長がコッチに来てる」
「このままだと見つかるな。ああ、そうだ」

沖田は遼の手を引いて部屋の奥まで連れて行くと、空のロッカーを開けて中に遼を押し込んだ。

「え?」
「狭ぇが仕方ねぇ」
「うっ、ぐっ……」

更に遼を詰めて沖田も中に入り、扉を閉める。
間もなくして資料室の扉が開き、何人かの足音が入ってきた。
近付いてきた足音と共に土方の声が聞こえ、遼と沖田は息を詰める。
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