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魂の色【銀魂短編夢】

第14章 募る想い(土方裏夢)


「トッシーは、どうしたいんですか?」
「僕かい?
やっぱり真選組は怖いから、働かないでも生きていける手段を探そうかなって」
「じゃあ離婚だな」
「え?」
「女房一人養う気が無いどころか、養って貰おうなんてヒモみたいな男と一緒に居たいと思うか?思うわけねぇだろ。つーわけで、とっとと遼と別れてやれ。新八、離婚届」
「いや、そんなのすぐに出てきませんって。というか銀さん、トッシー真っ青なんですけど」

銀時の発言が余程衝撃だったのか、トッシーが青い顔をして硬直している。
やれやれと溜息をついた銀時は、遼がまだこちらに来る様子が無いのを確認してから言葉を続けた。

「あの頃は、テメェが護るのは真選組だけで良かったかも知れねぇが、今は所帯を持って護る物が増えたんだ。自分のために生きたいなら、キッパリ全部捨ててからにしねぇと、辛い想いをするのは遼だぞ」
「銀さん、そんなハッキリ言わなくても……」
「こんなもん、遠回しに言ったってしょうがねぇだろ。安心しろ、遼は俺が幸せにしてやるから」

ニヤリと笑った銀時に、トッシーは思わずごくりと喉を鳴らす。
冗談交じりの声だったが、最後の一言は間違いなく本音だ。

「僕は……」
「お待たせしましたー。って、トッシーさん大丈夫ですか?」

すっかり顔色を失っているトッシーに、遼は驚くが、銀時は「大丈夫大丈夫」と遼の手からお盆を取ると手際良く並べていく。

「おっ、うまそう。遼の飯食うのも久しぶりだな」
「ちょっと待って、ご飯とお手拭き持ってくるから」
「あ、手伝いますよ」

忙しなく動く遼の姿を目で追うトッシーに、銀時はある種の確信を持った。
あの目は、その感情は──土方十四郎のものだ、と。

「自分に嫉妬するなんて、器用な奴。いや、究極の不器用か」

喉を鳴らして笑う銀時に、トッシーは首を傾げる。
ニヤリと笑った銀時は、トッシーにこそりと耳打ちした。
その言葉に、みるみるトッシーの顔が赤面し、銀時はますます面白がる。

「まあ、するもしないもテメェ次第だ。アイツには恨まれるかもしれねぇが、アイツばかりがイイ思いをするのも癪だろう?」
「坂田氏、でも……拙者は、」
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