第2章 尋問、そして静寂
「なんか、急にガランとしちゃったな」
セルティも仕事から帰っておらず、トムは仕事へ、静雄は臨也を吹き飛ばしに、そして杏里と少女は池袋の街へと繰り出している最中だ。
「みんな元気だなあ。昼前から外に出るなんて、紫外線に負けない現代っ子達め」
と、その時、部屋のチャイムが鳴り響く。
「おや、静雄かい?それとも全員の骨を折った臨也かな?」
独り言をつぶやきながら、ドアを開くと――
そこには威圧感のある男達が数名立っていた。
「四木さん、どうしたんですか?」
「少し、聞きたい事がありましてね」
四木は部屋に上がり込み、無言のまま奥へと入り込む。
「ちょっとちょっと、四木さん?」
「誰か、客が来ていたようですね」
流しの台の上にあるコップの横にあった――
“小さく丸められたスチール製のコップ”を手に取った。
「ああ、それを見れば解るでしょう。静雄の奴が来てたんですよ。ちょっと冗談を言っただけなのに、あいつ片手でキュキャとかコップを握りしめて……本当に、生きた心地がしませんでしたよ」
「……」