第2章 尋問、そして静寂
「?どうしたんですか、四木さん」
「……静雄が、この部屋にいたんですね?」
「?ええ。どうしたんですか?もしかしてあいつ、四木さんの縄張りの店で大暴れとかしちゃいました?」
「まあ、似たようなものです。ちょっとそれで、本当に彼に非があるのか確かめたくて、少し話を聞きたいんですよ」
「ああ、なんだ。それなら、静雄に電話して、今どこにいるか聞いてみますよ。あ、それって
今日の事ですか?」
「ええ、今日ですね」
四木の言葉に、ああ、と溜息をつき、静雄の携帯への短縮番号を押し、耳に押し当てる新羅。
「あいつ、今日は今までで最高に苛立ってるから仕方ないですよ」
「……ほう?」
「どこから話したらいいですかね。あいつ、昨日突然、このマンションに来たと思ったら……誰を連れて来たと思います?」
「さあ、芸能人だとかいう弟ですか?」
一つに予感があったが、あえて口に出さない四木。しかし新羅は、本当に冗談といった調子の声を吐きだした。
「いえいえ、それがねえ、中学生ぐらいの女の子を連れて来たんですよ、あいつ!」
「……!」
「あれ?静雄の奴、でませんね……えーと、それで、静雄の奴……」
続きを言うことはできなかった。
そこにはいつも以上に厳しい顔をした四木がおり――
その周りにいる部下の男達もただならぬ様子だったからだ。
「あ、あれ?私、何かまずい事、言いました?」
重く鋭い言葉が新羅の鼓膜を突き刺す
「その女の子は、今……どちらに?」