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とある、非日常の中の少女の日常。

第7章 護身術


「えー、私達からすれば、静雄さんがちゃんと知り合いだったことに驚きだよ!今日、この子、私の通ってる道場の後輩になったんだよ!とりあえず今日の分の私の稽古は終わったから、道場の周りを色々案内してたの!」

「ほー、マイルの道場って事は護身術か。そうだな、習っといて損はねぇかもな」

「そ、そうですか?じゃあ、私、頑張ります!」

静雄の言葉ににっこりと微笑む。

一方、から顔を逸らした静雄は耳までほんのり赤くなっていたとか。

「あ、静雄、そろそろ例の家に取り立てに行かねえと」

「うす」

トムの声を聞き気持ちを仕事に切り替えようとしたが――ぎゅ、と腰にしがみつかれた感触に思考が停止する。

「もう少しだけ……ダメですか……?」

確かに聞こえたその声に静雄は心中で慌てる。

――おいおいおいおい、ちょっと待て。
――これって期待していいのか……?
――いやいやいやいやいやいや、何考えてんだ、俺!

「あ、ごめんなさい……お仕事の邪魔するような事を言ってしまって……!」

「うーんと、俺と静雄で、まあ、10分くらいで戻ってくると思うから、待っててもらってもいいか?」
「!は、はい。ありがとうございます……!」

少女達は気付かなかった。

そんな自分達の様子が、尾行者によって監視されている事を。






「おい、なんか女達と静雄が分かれたぞ!まだか!?」
『もう1分もかからねぇ。安心しろ』
「つーか、関係なさそうだが……知り合いっぽい女も二人いるぞ」
『一緒に攫っちゃえばいいっしょ』
「一緒にって、大丈夫なのかよ」
『いや、噂で聞いたんだけどよ……昨日もダラーズがなんか、暴走族のリーダーの彼女だかを五人纏めて攫ったとか聞いたぜ』
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