第7章 護身術
―数時間後・池袋 鬼子母神堂前―
「あーっ!しーずーおーさーん!元気してたーっ?」
「マイルにクルリじゃねぇか……って!?」
双子の少女に隠れるようにして立っていたもう一人の少女は――
静雄の姿を見るなり、とてとてと走ってきてその体に飛び込んだ。
「静雄さん!」
「おい、俺だ、聞いてくれ」「あの噂はマジだった!」
「今、静雄を遠くから見張ってたんだけどよ!」
「高校生ぐらいのガキが静雄に駆け寄って行って、なんか抱きついたぞ!」
「マジか」「静雄のガキなの?女なの?」
「だってアイツ、歳ィいくつよ?」
「今、こっちにすぐ来れる奴、何人ぐらいいる……?」
「どうなるかは解らねぇが、十ぐらいでいいから人数集めて車寄越せ」
「あの女どもが静雄から離れたら、攫っちまおうぜ」
「ちゃんさ、さっきからずっと思ってたんだけどチョーいい匂いするよね!抱きついてもいい!?」
「えっ……」
「やめとけ」
おさげ髪の少女が背中の襟を静雄に持ち上げられる。
「静雄さん、昨日は、本当にありがとうございました……!」
「ん?ああ、もう気にすんなって。ガキは恩ぐらいすぐ忘れる方が可愛いんだよ」
苦笑いしながら、の頭を撫でる静雄。
「つーかよ、なんでお前らがと一緒にいるんだよ」