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とある、非日常の中の少女の日常。

第6章 相談



「なんだい、誰か嫌いな奴でもいるのかい?」

「ううん。そうじゃないけど……でもその人を殺さなくちゃいけないの」

「……そいつは物騒だねぇ。いったいそりゃ、誰なんだ?」

「……言えない」

首を横に振るに、赤林はただ笑いながら問いかける。

「どうして」

「言ったら、赤林さん達がその人を殺しに行っちゃうでしょう?」

「それじゃ、困るのかい?」

「その人はいい人なんです。けど、殺さなくちゃいけない」

「お嬢ちゃんは、その人に死んで欲しいのかい?」

「そんな事ない…!むしろ殺したくない。けど、殺さないと私の大切な人たちがその人に殺されるかもしれないって……」

「誰がそんな事を言ったんだい?」

「……ごめんなさい」

悲しそうな目をして頭を下げる。

それだけで『答えられない』という意思を察したのか、赤林は別の方向から問いかける。

「その人が、嘘を言ってるかもしれないだろう?」

「……解らない」

「殺さなきゃいけない相手は、さっき、いい人だって言ってたけどさ、それは、確かなのかい?」

「……解らない」
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