第4章 再会…?
「あ……あぁぁぁぁぁぁあ!?」
「……ぅるっせぇんだよ、このゴミ野郎がぁ!」
静雄はその男の襟首を掴み――身体を大きく捻り、ただただ力任せにぶん投げた。
大柄な青年の体が風を斬り、10メートル以上先にあるフェンスに勢いよくめり込んだ。
「ひっ……」
「や、やべぇ……」
リーダーがやられた事をきっかけとして、門田の仲間以外のダラーズは蜘蛛の子を散らすように逃げだした。
「……本当に、最後まで腹立たしい連中だな、オイ(さて、ノミ蟲探しに戻るとするか)」
そんな事を考えながら顔を上げると、数メートル先にフルフェイスヘルメットの女が立ち塞がってるのが見えた。
「?何か用……」
尋ねかけたその瞬間、銀色に輝くナイフの先端が静雄の胸に突き刺さった。
「あ……?」
5ミリほどしか刺さっていなかったナイフが、ポロリと零れ落ちる。
その光景を見た、周囲の者達の時間が止まる。
一方、女だけはクルリと静雄に背を向けると、グラウンドの正面口の方に向かって駆け出した。
「……俺は、女を殴る趣味なんかねぇし、殴るつもりもねぇが……」
ナイフで刺されるという行為に、とある男の顔を思い出し、静雄は歯を軋ませながら勢いよく地を蹴った。
「その高そうなヘルメットぐらいは……握りつぶされる覚悟はできてんだろうなこらぁぁっ!」