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とある、非日常の中の少女の日常。

第3章 影


―某高級マンション・地下駐車場―

セルティは帝人と杏里同様、影製シートベルトにくくりつけていた粟楠を地面に降ろす。

少女は呆けた顔をしており、ふらりと体勢を崩してしまった。
ーーおっと……

助けようと手を伸ばしたが,当のは体をビクリと震わせる。

『大丈夫。私は、ちゃんの味方だから、安心して』

「あ、は、はい……すみません…」

「えっと、その子は……」

タイミング悪く、帝人の携帯が振動を始める。

「――――ッ!」

「ええと、この子はちゃんです。平和島さんの知り合いらしいんですけど……」

「え?あ、ああ」

『えーと、この子は何て言ったらいいんだろう。仕事で護ってあげてくれって頼まれてる子でね。詳しくは新羅の部屋に行ってから話すよ』

帝人は携帯のメール欄を開き最新メールを開封した。
「……嘘だ」

「……帝人君?」

『どうした?』

「駄目だ……そんなの駄目だ……!すいませんセルティさん!僕、ちょっと行かなくちゃいけない所があるんで、これで失礼します!」

「え……?み、帝人君?」

セルティは自分の携帯のメールを、ダラーズからのメールをチェックし――

次の瞬間、動きを止めた。

「あ、あの、セルティさん。いったい何があったんですか?」

杏里の声を聞いて、セルティは携帯を差し出す。

差出人 【奈倉】
タイトル【重要情報!】
本文 【今ダラーズを襲ってる暴走族の連中はTo羅丸 って奴らなんだけど、その総長の彼女の一人が、今、池袋でメシってるの見つけた!
俺は攫う度胸とかないから、行けそうな人、頑張って下さい!
写真の一番左の子ね!】

「……セルティさん。私も行ってきます」

『危険だから人のいない所には絶対に行かない方がいい。あと、夜までには戻った方がいい』

「はい……。あの……ありがとうございます!ちゃんもこのお姉さんはいい人だから、安心してくださいね」

そう言い含めると――彼女は駆け出した。
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