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とある、非日常の中の少女の日常。

第3章 影


――?な、何か、絡まれてる?

「お疲れ様です。セルティさんも、岸谷先生か四木の兄貴から連絡を?」

「いや、丁度良かった。彼女の護衛、宜しくお願いしますよ」

ーーあ!そうだ!この人達……粟楠会の……

『いえ、私はこちらのメガネの少女に用があって来ただけで』

「待てこらぁ!」

「ネズミみてぇにコソコソ逃げてんじゃねえよ!」

ーーうわ。ここまで追ってきた!?

「うるせぇぞ、小僧ども。駅の中で騒いでんじゃねえ」

「あぁ?んだぁ?関係ねぇだろ!」

「大の男が子供の前で大声出してるんじゃねえ。こっちは取り込み中だ。失せろ」

「んだぁ?オッサンもダラーズか?ったく、小学生だのOLだのの次はチンピラ風のオッサン達かよ。本当にダラーズってのは節操がねえなぁ」

粟楠会の面子は、意味が解らないという顔をしていたが、一つの予感がして厳しい顔つきになる。

「もしかして、手前らがお嬢さんにちょっかい出そうって連中か……?」

背後にいるに心配させぬよう、男達にだけ聞こえる声で呟く。

今度は彼らが意味を理解できないようだった。そして、帝人を追ってきていた彼らはそのままそっくり言葉にした。

「いいから、ごちゃごちゃ言ってないでそのガキ渡せつってんだよ」

「「 ! 」」

「……いい度胸じゃねえか、どこの組のつっこみだ?手前ら」

「あ、あぁん?」

「それとも澱切の差し金か?どんな端金で命を捨てた?」

「な、何わけのわかんねえ事を」

革ジャンの青年たちが怯んでる間に、一人の男がの手をとり、セルティの方へ差し出す。

「セルティさん、お嬢を安全な場所までお願いします。まだ、岸谷先生の所に四木の兄貴もいるはずですから」

男たちが何か勘違いしている事には気付いたものの、それを悠長に説明している暇はないと判断したセルティはの手を取り駈け出した。

「きゃッ!」

『大丈夫、私は味方だよ』
走りながらそれを見た少女は、戸惑いながら杏里を見る。

すると杏里もセルティに手を掴まれており、とりあえず杏里も一緒ということに安堵して共に走る事にした。
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