第3章 影
―同日・昼・池袋駅東口―
「青葉君、っていう子がもうすぐ来ますから、それまで待っていてくださいね」
「……はい」
青葉の到着を待ち続ける彼女達のもとに現れたのは――
杏里の知らない、スーツ姿の男達だった。
「お嬢さん」
「!」
「探しました。一緒に来て下さい」
「な、なんで……」
は一歩後ろに下がるが、一人のスーツの男がその肩をガシリと掴む。
「う……」
「?あ、あの……」
「ああ、お譲ちゃんが、岸谷先生の言ってた子かい」
「え……」
「悪かったね。お譲の世話してもらってさ。後は、俺達に任せてくれればいいから」
「あ、あの、皆さんはちゃんの御親戚の方ですか……?」
「……まあ、家族ってわけじゃあねえけど、オヤジの孫娘ともなれば、俺達にとっても家族同然っつーかな……」
説明に困っている男の前で杏里はますます混乱していた。
彼女がとりあえず、にも事情を聞こうとした瞬間――
「園原さん!」
「!?み、帝人君!セルティさんも!?」
地上に続く階段から下りてきたのは、帝人とセルティだった。
「あの、急用があったんじゃないんですか?それに青葉君は……」
「説明は後でするよ!それより……――ッ!?」