【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第4章 優柔と懐柔
彼を見送ると、持ち帰った荷物の整理をはじめた。
("私"の好みとは全く違うものが増えた。ジョディの好みだから私のとも違うけど)
最初に見た時こそクローゼットの中身には驚いただが、今ではこの服が自分の物だと思える様になっていた。
『こうして"私"と私の感覚が結びついていくのかな…』
久しぶりにクローゼットの中の自分の服に袖を通す。
相変わらず右側にガッツリとスリットの入るデザインに真黒なカラーに"しっくり"くるものを感じた。
バッグからレッグホルダーを出し腿に、ガラスケースからショルダーホルスターに拳銃を装着すると、やることは一つ。
彼から受け取ったリモコンと鍵類を持ちの愛車FD3sの元へ急いだ。
伝えられたコードを入力しリモコンで開ける。
つい数分前まで彼のFDと隣り合わせだった光景を思い出し自然と頬が緩む。
キーを差し込みエンジンをかけると調子の良い音が駐車場に響き渡る。
自分が消えていた時も保護されていた間も、彼が掃除の行き届いた家も、すんなりエンジンのかかる車も、守っていてくれたのだと察しただった。
車を発進させ、何もかもが彼によるものだと噛みしめる。
『どれだけ愛されてるの…私
…てたの、"私"』