【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第4章 優柔と懐柔
『どうしよう…すごく楽しい』
元よりが車好きな事を知っている安室は、自分の愛車を楽しそうに運転するのを見るのも悪くないと思う。
短いドライブも終わりが見え地下駐車場に入る。
『…………あれ、私のFDが……ない』
自分の場所には知らない車が停まっていた。
顔面蒼白になるをよそに道の指示を出す彼の言う通りに車を動かす。
そこそこな高級マンションである地下駐車場にはシャッターガレージが数個用意されている。
その中に自分のFDを見つける。
安室は車を降りセキュリティコードを入力し、リモコンでシャッターを開ける。
二台分のガレージの隣は空車だった。
『ここ?停めていいの?』
「今日からここに停めてくれ」
戸惑いながらも駐車させる。
車を降りるとガレージ内の監視カメラの数には引いた。
まるで国内に数台しかない車を守るかなような数だった。
ガレージの外にも数台付けられていた。
『これは…なんて厳重』
"当たり前だ"と言う彼に、確かに車は宝物だし…と納得するだった。
部屋に戻るまでにエレベーター、廊下、部屋の前にも監視カメラがあった。ドアの鍵も増えていた。
彼が鍵を開けて部屋に入る。
『地下エレベーター前に二台と降りた場所に二台、廊下の四隅に各一台、ドア周辺に三台、どうしたのこの数…』
「惜しいな、ドア周辺は四台だ」
イヤイヤそういう事じゃないと心の中で思い彼の肩を手の甲でビシッとツッコむ。
「?」
『どうしてこんなに重厚になってるの…まるで要人扱い…』
「公安で…俺がもっと早くにこうするべきだった」
まるで苦虫を噛んだかのような表情。
部屋の中を見渡すと約一ヶ月も空けていたとは思えない掃除の行き渡った状態に、彼の服や生活をしていた様子も伺えた。
『ここに居たの?』
「あぁ…」
ふと自分がここで目覚めた時の事を思い出す。
確かに"身に覚え"のある部屋だった。
危ないモノを除けば女性の一人暮らしのような部屋でもあった。
その危ないモノのケースを設置したのは彼だと言う。
自分の正体を探していたときに見た通帳類の中には、ここの賃料の引き落としなど見られなかった。
『もしかしてここって…』