【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
「さん!」
『そこをどけって言ってんのよ!』
新一はナイフを握るの手に手を重ねた。
「少しは俺達に頼れよ、…バーロー」
『…え』
「さんと安室さんには返しきれねー借りがあるんだ」
「さん、これは我々の失態でもあるんです。それに、あなたを1人で行かせてしまったらそれこそ降谷さんに殺され…、2度と顔向けできませんよ…」
新一はやんわりとの手に握られたナイフを抜き取った。
『でも!何が待ち受けているのかわからない!』
「だからこそ、だろ」
任務ですらほぼ1人で乗り越えてきた。
組織の人間ではない、それも一般人の青年が頼れと言う。
ただの青年でないことはわかる。
『それでも…』
「高校生探偵…なめんなよ」
『高校生探偵…?』
いつか見た新聞の一面を思い出していた。
『高校生探偵…工藤新一?連日メディアを賑わせてた…あなただったの?』
「ああ!そしてその高校生に戻れたのはさんのお陰なんだよ」
『どういうこと…?』
「APTX4869」
『なぜそれを…』
一般人の口からその薬品名が語られることは、何も知らないにとっては信じがたいことだった。
「解毒剤のデータを持ち出したのは、さん、あなただ」
『…なぜ、私が…』
「俺と灰原は…宮野はあの薬で小学生になった。俺はジンの手によってな…。この姿に戻れてやっとだ…好きなやつをさ、やっと自分の手で守れるようになったんだぜ?」
新一はナイフをハンカチで拭き、柄の部分をに向けた。
『私は私の想像に及ばないことを…』
はナイフを受け取りホルダーに収めた。
『ごめんね、傷つけるつもりはなかった…」
「大丈夫だ、これくらい何ともない」
ハンカチを取り出し新一の傷口にあてた。
新一の目に迷いがない。
はハンカチを握りしめた。
『彼を助けたい、協力して…』
「当然、だろ!」
新一と風見は頷いた。