【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
いつも通り昼食を終えると、降谷は用事があると珍しく1人で出掛けていった。
1人で過ごすのが久しぶりに感じるほど、降谷とは共に時間を過ごしていた。
『1人になると…なんだか退屈だわ…』
ふと、ジンのことを思い出していた。
もし今も組織が存在していたら、これほどに穏やかな生活は経験できていなかった。
しかし、ジンがいなければ、今の自身も存在はしていない。
『どれが欠けても、私ではなかったということね…』
ジンが自身にしたことは倫理的観点から激しく逸脱している。
それでも憎むことはできそうにないし、情もある。
『あぁ…ダメね。考えても仕方ないのに…』
は冷蔵庫から、禁断のシュワシュワを取り出した。
お酒の力で気分を払拭しようとプルタブに指を掛けた。
プシュッと良い音をさせると一気に呷った。
『ぷはっ!』
ほろ酔いになる頃には、テーブルには空き缶が並んでいる。
休肝日の長かったに、アルコールはずぶずぶと染み渡った。
ふわふわとした気分に、身体は少しだけ火照りを感じる。
『あの人、どうして私を抱かないのかしら!続きはいつなのよ!』
大きなひとり言をぼやきながらソファーに横になると、玄関から鍵を開ける音が聞こえた。
時刻は夕方を過ぎた頃。
「ただいま…って飲んだのか!」
『おかえりなさーい』
ソファーからだらりと出迎えた。
降谷は買い物をして来たようで、荷物を抱えていた。
『どこ行ってたのよー』
荷物を置くと、の飲み散らかした空き缶を片付けている。
『聞いてるのー?』
「…酔ってるな」
『このくらいで酔うわけないでしょ』
はソファーとポンポンと叩き、ここに座れと合図を送った。
降谷はやれやれとソファーに腰を掛けた。