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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第10章 零の奪還


車好きが車を納車すれば、やりたくて仕方のないことがある。
しかし、FDすら降谷に買ってもらい、日々の生活費も降谷が出している状態のには元手がない。

『私…働こうかしら』

その一言に、降谷は焦る。

「き、急にどうしたんだ…」
『チューニングもしたいし、ドレスアップもしたいし…』
「そういうことか」
『何だと思ったのよ…』

一人暮らしをしたいと言い出されたらと思った降谷は、ほっと胸を撫で下ろした。
そして、それならと、1冊の通帳をに手渡した。

『私の?』
「君のだから、好きに使えばいい」

通帳を受け取り中を確認すると、かなりの額が手付かずのまま残っていた。
やはり以前の自分も、ヒモのような生活をしていたのではないかと疑念が生まれる。

「恋人だから、ヒモじゃないぞ」
『人の思考を先読みしないでよ…、そうね、これくらいあるなら…』
「?」

はいかにも考えるような素振りを見せた。
どんな反応を見せるのか、揶揄してみたくなった。

『一人暮らしでもしようかしら』
「な……」

その一言に降谷は、絶望的な表情を浮かべた。
軽い気持ちでからかっただけなのに、降谷の反応に何故だかとても酷いことをしてしまった気分に陥った。

『じょ、冗談よ。そんな顔しないでよ』
「じょ…冗談…、そうか、冗談か」
『その冗談は置いておいて、今まで私にかかった額は返すわよ?』
「返さなくていい、僕がそうしたいんだ」

あまりにも切羽詰まる雰囲気の降谷に、は肩をすくめた。

『わかったわ、甘えることにするわね』
「そうしてくれ」

今のに降谷自身ができることは少ない。
どんな形であっても、たったひとつでもそれを奪われたくなかった。

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