【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
『ねぇ…』
「勘弁願いたいものだな…」
『どういう…』
「名前は?言えるか?」
組織に属する人間同士、よほどのことがない限り素性を明かすことはない。
暗黙の了解(ルール)だ。
『…ミスティ…』
「違う、君の名前だ」
『…?…名乗る必要がないわ』
ただでさえ理解の及ばない現状に焦りを覚えているのに、要領を得ないライには怪訝な表情になる。
「ここは冷えるな…」
『ここは酷い有り様だし、あなたは話にならないし…一体何なの…教えてよ…』
ライはタバコに火を点けた。
ゆっくりと煙を吐き出す。
「君の失くしたものを数えていたら闇夜も明けてしまうな」
『…失くした、もの?』
「知りたければ着いて来ればいい」
ライはに背中を向け歩き出す。
失くしたもの、知りたければ、脳内で反芻する。
組織の本拠地の有様を見れば、ここに留まったたころで得られるものは無さそうだった。
は何かを知っているであろうライの後を追った。