第2章 錯綜と交錯

爆弾事件から早数日が経過した。
あれから車には乗らず移動は電車を使っていた。

大騒動ではあったものの報道にはならなかった。
きっと彼のお陰だとは知っていた。
しかし何故かコナンの耳には情報が届いたようで電話で呼び出しをされ、今に至る。


「無事で良かったですよ」
『まさか車に爆弾を設置するなんて！』
「今後も似たような事が起こるよ。だからここで保護されて欲しいんだ」

呼ばれた時点で"保護"の話にはなると思っていたは苦笑いだった。

「ところで、何故公安が動いたのですか？」
『偶々居合わせた方が"警察"だっただけ』
「公安…がですか？」
『さぁ…"警察"としか』

まるで公安のワードを引き出したいかの会話…。

「さん…本当に危険なんだよ…」
『うん…私が狙われてるのはわかったよ』
「だったら！！」
『ねぇコナン君、私からも質問してもいいかな？』
「なに？」
『公にされていない事を何故知ってるの？被害者が私だと言うことも』
「それは…」

（心配してくれる気持ちに泥を塗ってるのは分かる…でも助けてくれた零も保護すると言ってくれるあなた達も私にとっては最近知り合った人以上のものは無いもの。迷惑はかけられないわ…）

「FBIの協力の元ですよ」
「昴さん！」
『…え？』
「僕はあくまで協力者ですが」

FBIに公安に要人でもない自分にはスケールの大きすぎる話だとどこか他人事に思えただった。

『私、ただの探偵ですよね？』
「少し違いますね」
「昴さんてば！！」
「記憶を消せる力のある何か、これ以上は話せません」

コナンは頭を抱え昴を見据えた。

『やはり、ただの探偵ではないの…』

スカートのスリットを捲り左腿にあるレッグホルダーと銃を見せた。

『普通ならこんな物騒なものなんて持ってない…』
「ちょ、さん！？」
「久しぶりに見ました、懐かしいですね」

微動だにしない沖矢と、顔が真っ赤になるだけで銃の存在に触れないコナン、彼らもまた普通ではないとは悟った。