【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
重い瞼を気怠げに開くと霞む視界にひどく辛そうな顔が覗きこんでいる。
強く握られた手の平はとても温かく、は生を感じた。
『……なんて顔してるの…零?』
絞り出した声は掠れていた。
「…良かった」
が目覚め安堵から大きく息を吐くと、の手を自身の頬に摺り寄せた。
「痛みはないか?」
『少しだけ。零こそケガしてる』
降谷の頬には擦り傷や手当の痕が見受けられた。
「かすり傷さ」
『何が起こったの?』
「…国際会議場で爆発事故が起こったんだ」
『…そう、運悪く巻き込まれたのね』
埠頭へ行けばベルモットに出くわし、コナンに助けられ、組織の車に追われ、逃げ着いた先での爆発事故。
にとって散々な一日となった。
「、なぜあそこに?」
『……、零を探してた』
いらぬ心配をかけまいと大部分を端折った説明も、長い時間共に過ごした降谷を欺けるわけもなく。
じっとりとした視線を向けられていた。
「?」
『…ダメか』
は観念すると一日の出来事を話して聞かせた。
話の内容は案の定降谷の表情を険しいものに変え、頭を抱えさせた。
『零を探していたのは本当よ』
降谷はの頬に手を添える。
その表情から険しさが消え安室透でもバーボンでも、降谷零ともつかない、の見たことがない顔がそこにはあった。
『…零?』