【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第1章 記憶と感覚
コナンに促されるままソファに腰をかける。
「紅茶でよろしいですか?」
『はい、ありがとうございます』
「では少々お待ちください」
『コナン君、あなたに聞きたいことがあるの』
「なーに?」
毒気の全くない笑顔に一瞬躊躇われたけれどは話を続けた。
『昨日、私の首元に何か付けたよね?』
「うん、付けたよ」
あっさり認められ言葉に詰まったところで、トレイに紅茶をのせた沖矢がやってきた。
「どうぞ」
『いただきます』
紅茶を一口飲み再度コナンと向かい合う。
『えっと…何で付けたのかな?』
「安室さんと関係がありそうなさんを警戒したからだよ」
明らかに先程とは違う子供らしからぬトーンで話すコナンに面を食らった。
『どうゆう事…?どうして安室さん?』
「それは話せません」
コナンではなく沖矢が口を開いた。
昨日から"今は話せない""それは話せません"ばかり聞いている気がするは大きくため息をついた。
『私がここに呼ばれた理由は?』
「さんを保護するためです」
『…へ?』
警戒する相手を保護するという、まるで間逆で突拍子もない一言に思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
『ごめんなさい、本気で意味がわからない』
「僕は情報でしか知らないけど…」
『…え?』
「さんは探偵だったはずだよ」
「ただ今はそれ以上の事は言えません」
『…私が探偵?』
顎に親指を唇に人差し指をあて
(スパイとか殺し屋を想像してたから探偵って聞いてホッとしているけれど、民間人であの武器は普通なら持たない…、今はまだ話せない内容に関わっているのかも…)
「変わってないですね、その癖は」
顔を上げ目を見開き沖矢を見つめる。
『あなたも私を知っているの?』
「ええ、深く知っています」
『え、あなたも元カレ候補??』
「ご想像におまかせします」
やはり貼り付けスマイルは苦手だとは思った。
「ところで、"あなたも"元カレ候補とは他に誰が?」
『冗談です、忘れてください』
「あまり笑えない冗談ですね」
貼り付いているはずの笑顔の裏に恐怖を感じた。
『…ごめんなさい?』
(本当に深い仲の人なのかな…でも好みじゃないな)
と、失礼なことを心の中で呟いた。