第10章 療養中
「うっ!?」
「ねぇさくらちゃん!ドーベルマン先生に聞いたんだ!今度一緒に訓練しようよ!どっちがデッキ永遠ループに耐えれるか勝負!」
永遠ループは死ぬ自信があるなぁ、と思いながら目の前のスプーンを「あ!足速い?私自信があるんだ!勝負しよう!?」…取れなかった。
食堂の賑わいで周囲に聞こえないものの、なおも腹の虫は鳴き喚いている。…もう少しすれば私が泣きそうであるが。
どうしたものか、と思っている所、救世主は案外すぐにやって来た。
「カーディ!!」
「!ア、アンセルくん…」
食堂の出入り口からアンセルがやって来たのだ。
「外まで声が届いてましたよ!さくらさんは療養中なんです!訓練はしばらくできません!」
「えええ!」
「あと、検査センターから呼び出しをされているでしょう!さっさと行きますよ!」
「えええー!!?あああ待たねえさくらちゃあああん!!」
アンセルに首根っこを掴まれて行ってしまった。まるで嵐が去って行ったかのようだ。
「げ、元気な子だね」
「ホント…さくらの広い心には助かってるよ…」
「スチュワードがそんなこと言うほど元気なんだね…」
「まぁ…彼女を自室に放置するのはおすすめしないね…」
「物が1つ2つ壊れますよー」
「え、彼女は他人の部屋に殺意持ってるの?」
「悪気はないんですよ…?良い子です…」
「うん…それは、よくわかる…」
何はともあれ、やっと食事にありつける。私は両手を合わせていただきます、と呟いた。
To be continued.