第17章 深い謝罪と感謝
「来たか、さくら」
私の姿を見るなり、目を細めるドーベルマンさんに一礼する。
「はい、ドーベルマンさん。今日は訓練ですか?」
「ん、まぁ違いはない。今日は新人共に固有武器を渡す日でな」
「固有武器?」
頷いて前を見るドーベルマンさんの視線を追う。その先には数人の新人オペレーターが弓や剣を持ってマネキンに対して攻撃動作を繰り返している。
「ロドスに入る前から持っていた者は良いんだが、そうじゃない者は訓練で分かれた職業により、武器を渡すんだ。スチュワードが持っているワンドや、メランサが持っているのもそうだな」
「なるほど」
武器を渡されて訓練しているのだろう。
しかしそこまで言われると、ドーベルマンさんが何故私を呼び出したのかが嫌でも察せられる。恐る恐る聞いてみた。
「…私に、武器をくれるんですか?」
「そうだ。ドクターと相談してな。お前のアーツはあの穴倉から脱出できた時にコントロールができていると判断し、武器を渡すことを決定した」
ついて来い、という風に私を手招きし、デッキの端まで歩いて行く。
「…でも、私はまだ人を殺すことに抵抗があります…情けない事ですが」
「まぁいつレユニオンがまた襲来するかわからない。護身用として用意したものだ。受け取れ」
ドーベルマンさんがベンチに置いている得物を私に差し出す。ズシリ、と手に掛かる負荷と共に、また源石の存在を感じて血が早くなるのを感じた。
「お前は職業を前衛とする」
渡された武器は、カーディが使っていたようなトンファーナイフだった。それも2本。それと、小さな指輪。
それを見て目を見開いた。