第5章 気づくのが遅い二人_
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俺たちの目の前には、担々麺や小籠包や餃子
麻婆豆腐、酢豚、青椒肉絲などが並んでいる
回転テーブルにのっており、見るからに高そうな物ばかりだ
学食では、絶対見ることは無い、醤油と油の香り立つハーモニー
仕入れに値の張りそうな、食材もふんだんに使っているであろう
「今日は全て、俺の奢りだ!」
「お…おごりですか!?」
「そうだ。
若いお前らのことだ。
学食だけでは足りんだろう
遠慮なく食って元気になれ!」
「あざーす!いただきます!」
「がっはっはっ!
ここの麻婆豆腐はうまいぞ!」
目の前にあった、小籠包から手をつけ箸でつまみ、レンゲでスープをこぼさないよう口に運ぶ
熱々の肉汁を含んだジューシーな味わいが口の中で広がる
「う…うめぇ!」
横にいる原田が餃子を片手に叫んでいる
「さぁ!沢山食えよ〜
まだまだあるからな!」
「はいっ!」
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「ご馳走様でした!」
おなかいっぱい食ってサブ長にお礼を言う
すげー美味かったな…
しかも奢りだし。
やっぱりサブ長は優しいな…
そんな事を考えていると、チラッと何かを見てサブ長がこちらを向いた
「よーし!お前ら、次行くぞ!」
「…え?」
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「ここはな…エビチリが絶品で…」
目の前には、先程と同じような料理が並んでいる。
強いて言えば、エビチリが増えたことぐらいだろうか…
「えっと…」
「さぁ!好きなだけ食え!」
「い…いただきます!」
二回目だろうと、サブ長の奢りを無駄にしてはいけない。
無理やり胃に流し込みなんとか完食すると、サブ長はニコニコしながら立ち上がった
「よし!次だ!」
「え… 」
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「えっと、ここはだな___」
おい、ここ、三件目だぞ…
まだ、食べる気かよ…
「さぁ!食べてくれ!」
「…いただきます…!」
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