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【あおざくら】 君の夢が叶うまで_

第4章 学んだこと_






「ま…まずい…」



『いいか、団体行動が基本だ
もし、はぐれたらその時は死だ__』




俺は今、危機的状況にいる

現在地は、神奈川県、横浜市にある桜木町駅周辺



周りには、先を急ぐサラリーマンや休日を満喫している女子高生の姿がある中、俺は一人この場に似合わない制服を着て死んだような顔をして立っていた



すれ違う人、皆が俺を冷ややかな目で見てくるが、数秒後には自分には関係ないと前を向くのであった



今の俺には連絡手段もなく最悪な事に、はぐれた時の
待ち合わせ場所も決めていない


辛うじてあるのはいざという時の為にポケットに入っていた数百円のみ




「…っ…」



何故、このような場所にスマホも持たず一人でいるんだって?















__遡ること数時間前


「今日は土曜日!
ついにやってきたー!外出日だー!」




そう、今日は、待ちに待った土曜日


外泊はできないものの防大の外に出ることができる
外出日なのだ


入学してから二週間、俺たちは地獄なような日々を過ごしてきた。



呼び出し、呼び出し、無限呼び出し

特に思ってもいないが、同じ文ばかり綴る反省文

腕立て、空気椅子



思い返しただけでも胃が痛くなる





「ストレス発散するぞぉー!」



原田が、スキップをしながら嬉しそうに叫んでいる



バッティングセンターやご飯巡りなど、ストレスの発散方法は色々あるが俺は一味違った



まず、俺は防大のある馬堀海岸駅から京急に乗って日の出町駅で下車する

そこから、徒歩で横浜中央図書館へ



神奈川県内、最大の蔵書を誇る図書館だと…?


是非行ってみたい!

この目で見てみたい…!



そして、松平先輩や姉ちゃんが貸してくれた本や参考書類をじっくり読み込み、ノートにまとめたい!


以上が俺のストレス発散方法だ。




原田や沖田が冷たい目で、俺の事を見ていたがそんなこと気にしなかった




『外出点検集合!
希望者は舎前に集合せよ』



そんな事を考えていると校内放送がかかる




「普段から厳しくされてる俺たちなら…」



ボソッと武井が呟く




「きっと一発クリアできるはずだ!
楽勝、楽勝!」



原田に続いて俺たちは部屋から出て舎前へと急いだ。



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