第1章 おやすみ、現実
結局朝練に遅れて参加した僕は、
体育館の端で1人、サポーターをつけていた。
すると部員の数名がこちらへ向かってくる。
「おはよう!珍しいな、月島が遅れて参加なんて」
3年の菅原さんが、ししし、と笑う。
「……すみません、気をつけます。」
「まあ、そんな気にしなくていいべ」
「おー、月島おはよー!機嫌わりいなあ」
そしてこっちは朝から元気な日向。
「どこかの誰かさんと違って、僕は常にハシャいでいないからね。」
「オマエ、今おれのことバカにしたか!?」
「日向、自意識過剰すぎじゃない?」
「ん、ぬぁんだと!!」
まあまあ落ち着いて、と割り込んで入ってきたのは山口。
「ツッキー、おはよ!なんかあったの?」
「…ん」
そういえば、今朝の夢は…なんだか変な夢だったな。
「…何も無い。山口、柔軟手伝って」
「わかったよツッキー!」
夢のことなんて、考えても無駄だ。と、
僕は自分に言い聞かせるようにそう思い、
サポーターを付け終えて、ゆっくりと立ち上がった。
・・・・・
“ 月島君 ”
“ どうして、気づいてくれないの?”