第4章 日常、ずれていく
「月島くん、病気だったんだ」
「居眠り病だって…聞いたことないよな」
(はあ…………)
これから先、ずっとこんな雰囲気の中で、授業を受けないといけないのか。
「では、ホームルームを始める。」
先生はあっさりと話を終え、
チャイムが鳴り、しだいに生徒たちは落ち着きを取り戻していく。
だけど、前の席の山口だけは別で、
先生の話が終わっても落ち着きを取り戻していなかった。
(ああ、この前電話した時にいいそびれたから)
ホームルームが終わった休み時間。
山口は、世界の終わりみたいな顔をして言った。
「ツッキー、やっぱり大丈夫じゃなかったんだ!!」
「…さっき先生が言った通りだよ。僕、病気らしい」
「そっか…」
「その反応、一番嫌だからやめて。」
「ご、ごめん…」
「はあ…。でもまあ、山口が声掛けてくれたから早めに気づけたし、お前には感謝してるよ」
「!!うん!!俺、何かあったら力になるから!…なれるかわかんないけど!」
くやしいことに、今はこいつがいちばんの僕の味方だ。
と思うと少し…気が緩んだ。
「…ツッキー?」
途端に、頬の力が抜ける。
気づけばまた、意識を落として。僕は夢に落ちていく。