第3章 変わってゆく
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あのひとを想って付けた傷に軽く唇を触れる。
流れ出る血は私を許す免罪符。
こんなにも、過去に、あなたに憑かれている、私をどうか許して欲しい。
早く私を見つけて。
でないと、私、もうおかしくなるわ。
あなたを待っているの。いつまでも。
叶うはずないのに。馬鹿みたいね。
『月島くん、私の事、忘れてしまったのかな』
今日もまた、カーテンを閉め切った部屋でひとり。あなたが迎えに来るのを待っている。
カッターを部屋に放り投げて、
残り少ない薬のシートを、がさがさと手に取った。