第3章 変わってゆく
「月島さん、おはようございます」
「ん…」
「眠りの発作ですね。気分はどうですか?」
起きると、僕の病室には看護師さんがいた。
「別に、悪くは…ないです。」
「そうですか。意識ははっきりしてきましたか?」
「はい」
「これから月島さんには、睡眠リズム表というのを付けてもらいます。」
「睡眠リズム?」
そう言って看護師は、僕に何かの紙を差し出してきた。
「ナルコレプシーの患者さんは、そうではない人に比べて眠りが不安定なんです。
それを見て、だんだん普通の生活に戻れるように、治療をしていきます。
たとえ数十分間の浅い眠りでも、睡眠をとったら、この表に細かく書き込んでください」
そうか、僕は病気なのか。と、
自覚してしまえば襲ってくるやるせなさ。
白い病室、看護師にいつもと違うベッド。
検査入院だと分かっていても、現実感が無く、
自分がなにか、別の世界の住人になったみたいだ。
看護師の話も、右から左へと抜けていった。
・・・・・