第1章 仇【進撃の巨人/リヴァイ】
不思議そうに聞いてきた。
「……寧ろ好きだよ」
認めてしまえば心が軽くなった。いつも嫌な顔一つせず身の回りの事をしてくれるミカサが、私にとっては救いだったし、こうやって話をしてくれるのがうれしかった。
このまま聞いてしまおうか?
「リヴァイは……元気?」
とうとう口にしてしまった。
「最近は機嫌が悪い。多分、貴方に会えてないから」
私に会えてなくて機嫌が悪い? なぜ?
「毎日呼び出されて、貴方の事を聞かれるから、貴方とチビは恋仲かと思っていた」
「ないないない!! ありえない!」
全力で否定する。ミカサが何故リヴァイを嫌っているのかは知らないけど、チビって辛辣な言葉が出てくるとは思わなかった。ミカサに何をしたんだろう? ミカサというより、エレンに何かして怒りを買っているだけかも。
今更だけど、調査兵も人間で、色々感情がある事に気付く。何も感じずに殺人する訳もないんだよね。
「そろそろ私は行くから、何かあったら見張りに」「その必要はねえ」
私とミカサは多分同じ顔をして振り向いた。確かに、どことなく不機嫌そうな顔をしたリヴァイが立っていた。ミカサと入れ替わりに牢へ入ってきたリヴァイは、良く見ると隈が酷い。
「大丈夫? じゃなさそうね。少し寝たら?」
「……そうだな」
私を抱き寄せるとベッドに倒れ込んだ。久々に感じる体温が心地良くて、私まで眠たくなってくる。