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【激裏】愛執染着【短編集】

第1章 仇【進撃の巨人/リヴァイ】


 私の言葉は無視され、中に熱いのが出された。それは止まることを知らず、私の中へと浸透する。そうして私の意識は夢の中へ堕ちた。
 
 あれから毎日リヴァイは私を抱きに現れた。良くも飽きずに毎日来るな、と逆に感心する。本当に子供を作らせる気なのか、中出ししない日は無い。そして、会えるのが楽しみになってしまった私が居るのも事実だ。毎日同じ時間に来るのだから、今日も来てくれると思っていた。
だが、それは間違いだった。毎日来てくれたのに、今日は姿を見せなかった。世話役になったという女性の調査兵が身体を拭いてくれたり、食事を共にしてくれるだけで、その人以外来ない。もちろん生き残った仲間が助けに来る、なんて妄想も叶う訳もない。生き残ったのは私だけだ。ケニーの夢も叶わなかった。私は何故か生かされ続けたまま。調査兵に理由を聞いてみたが、彼女も知らないらしい。命令に忠実で、でも私と話すのは楽しいらしく、雑談はしてくれた。おかげで外の事もやや知れた。 ロッド・レイスはヒストリア・レイスに討ち取られ、ヒストリアが女王に即位。そして、ウォール・マリア奪還作戦がまもなく行われる。私の仲間が生きているのは絶望的だとも。

さらに三日が経過した。その間、リヴァイは姿を見せない。何かあったのだろうか? 単純に奪還作戦の都合で忙しいだけならいいけど。
って、何故彼の身を案じる必要があるのか。彼は仇なのに。

「ねぇ、貴方名前は?」

気がついたら世話役の調査兵に名前を聞いていた。

「ミカサです」
「ミカサ……そう、貴方がミカサなのね。嫌じゃないの? 私はエレンを誘拐した一味なのに、世話役にされるなんて」
「貴方はただ命令に従っただけ。憎くないと言えば嘘になるけど、貴方個人は嫌いじゃない」

 それだけで、救われた気持ちになる。私達は、調査兵を殺したし、リヴァイも殺そうとした。彼はただ自分の身を守る為に私の仲間を殺した。だから、仇だと憎むのはお門違いだと心のどこかでは理解していた。でも、それを肯定する事が出来ない。彼女のように認めてしまう事も出来ずにいた。

「貴方は、強いのね」
「? 貴方も私の事は嫌いでは無いと思っていたけど、違うの?」
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