第4章 花【進撃の巨人/エルヴィン】
の開けたシャツの隙間から手を入れ下着の上から胸を撫でる。小さな膨らみを慈しむ。腰を抱きをソファーに持ち上げると、キスをしながらゆっくり押し倒す。ゆっくり口を開き舌が交わる。
優しく交わる舌。与えられる愛。心臓がどんどん高鳴っていく。恋しくて恋しくて気持ちが溢れてしまう。自然と出る声も、火照った体も、熱くなる顔も、高鳴る鼓動も。全てが恥ずかしく感じる。
つい腕で顔を隠してしまう。が、その腕は優しく退けられる。
「……恥ずかしいです……」
「全てをくれるのだろう?」
「そういうの……ずるいです」
この人はどうして恥ずかしい事をすらすら言えるのだろう。
お前はどうしてこんなに俺を狂わせるのだろう。
愛しさが止まらない。
ソファーはエルヴィンが仮眠を取れるようにかなり大きいサイズを置いてある。それが幸いして二人の体を支えてくれていた。
キスが徐々に激しくなっていくにつれ、胸を揉む手も遠慮が消えていく。口の中に入ってくる嬌声に口元が歪む。歪まずにいられない。
最初は調査兵団の利益として必要な存在でしか無かったのに、自分好みのコーヒーを淹れ、言わなくても必要な資料を整理し、的確にサポートしてくれる姿をいつの間にか目で追っていた。時折見せる年相応の笑み。毎日お菓子を作ってきて、幹部の好みを把握し四種類の味を用意してくる。リヴァイも彼女の紅茶を求めてやってくる程だ。それをいつからか妬ましく思った。彼女の笑顔を見るのは俺だけでいい、と。いっそ閉じ込めてしまいたいと。気が付けば休憩時に膝の上へ乗せていた。そして、彼女から漂うお菓子と石鹸の匂いがあるだけで仕事が捗っていた。俺は、きっと始めて会った時から恋をしていたのだろう。だから、彼女を傷付けた連中は手を回して処理した。彼女に不満を持つ団員へ圧力をかけた事もある。それは幹部全員が行っているようだが。。お前は知らないだろう? 俺がこんなにもお前を求めている事を。こんなにも。
「愛している」