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【激裏】愛執染着【短編集】

第4章 花【進撃の巨人/エルヴィン】


「キスしていいか?」

 体が跳ねた。

「……私、元奴隷ですから……その、汚いですから……」

 自分で言って悲しくなってきた。エルヴィンから離れようとするが、抱きしめる力が強くて離れられない。もぞもぞと動いていると、お尻にしばらく感じていなかった違和感を覚え動きが止まる。手術による出血後、今月の生理が先日終わりを迎えた。つまり、体内は回復をし、男性を迎える事は可能。
 奴隷としてたくさんしてきた。今更嫌悪感も無い。でも、それは奴隷として。
 としてしたことがない。エルヴィンに名付けられ、調査兵として過ごしてきた三週間。そんな中で自分の体の痣や傷が気にならない時は無かった。得にエルヴィンには見せたくないと思う。

「綺麗だよ」
「服着てれば隠れますからね」

 兵服のジャケットを握りしめる。

「一人の男として、君を愛している」

 時が止まった気がした。何分も何十分も何時間も見つめあった気がする。顔や体が熱を持つ。

「嫌なら抵抗してくれ」
「……はい」

 抵抗はしなかった。今まで嫌だった感覚が無い。体が勝手に開いていく。
 の両頬をエルヴィンの手が包む。額、瞼、頬にキスが降る。くすぐったくて身を捩った。心が満たされていく。始めて知る感覚。
 そんな時、扉がノックされる音がした。今は勤務時間。窓から差し込む光も高い。
 現実を思い出し、は恥ずかしくなって離れようとする。すんなりと離れた体が寂しくなってしまう。

「鍵を閉めてきてくれ」
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