• テキストサイズ

【激裏】愛執染着【短編集】

第2章 支配【進撃の巨人/エルヴィン】


“一年前から脅迫されています。盗聴、発信機を見つけ次第破壊しているが後を絶ちません。上層部に相談しようかと思いましたが、それもバレたので、犯人は上層部の人間かと思われます。私が自衛隊を辞めなければ、周りの人間を傷つける、と。ずっと無視していましたが、数か月前から戦闘機の整備不良による事故や部下の交通事故等、不幸が続いていて、これ以上は無視できないと思い、退職する事にしました”

 気が付いた時には、彼女のスマホを握りつぶしていた。

「……何故俺に相談しなかった?」

 彼女が悪いわけでは無いのに、彼女に怒ってしまう。彼女はきっと俺に危害が加えられるのを避けたかったのだ。だから言いたくても言えなかった。彼女の気持ちは痛いほど理解出来る。それでも聞かずにはいられなかった。
 元々酒を飲むつもりが無かったので車で来ていたのが幸いした。嫌がる彼女を強引に車へ乗せ自宅へ向かう。終始彼女は無言で足元を見つめていた。
 こんな状況でも、彼女が私の隣に居る事に興奮する。
 自宅へ着くと彼女を抱き寄せ、寝室へと向かう。俺がこれまでどんな気持ちだったか、彼女に分かってもらう必要がある。
 ベッドに押し倒し、ネクタイで両手首を一つに纏めた。アイマスクを付け首に犬用の首輪を嵌める。昔飼っていた犬の物を残しておいて良かった。鎖をベッドに固定し、彼女を閉じ込める。永遠に、俺だけの物。

「え、エルヴィン!? 何、して……」
「俺はずっと前からお前だけを見てきた」
「エル……ヴィン……?」
「愛している。。今度こそ、お前を守らせてくれ」
「ね、ねえ……その気持ちは嬉しいんだけど、ど、どうして私を拘束するの?」
「俺なしでは生きられないようにする為だよ」

 コーヒーと錠剤を口に含み彼女に口移しで飲ませる。そのまま唇の感触を楽しむ。前世と変わらない感触。甘い音。熱い息。時折もれる声。全てが愛おしい。このキスで思い出してくれたらどんなにいいか。叶わない願いと知りつつ、願わずにはいられない。思い出せば彼女は俺を選んでくれる。
 いや、思い出すまで俺を刻みつけてしまおう。思い出すまで閉じ込めて、その瞳に、体に、俺を覚えさせてしまえばいい。今日から少しずつ。時間はたっぷりとある。今度はお互いに生きよう。
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp