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銀色の【銀魂長編夢】

第6章 部屋と隊服と私


覚悟を決めた目で、真っ直ぐに近藤を見据える遼に、沖田は満足そうに笑った。

「ここまで覚悟を決めてんですぜィ。副長補佐くらいどうって事はねぇでしょう」
「誠心誠意頑張ります」
「だ、そうですぜィ」
「トシ、見習い期間だけでもいいんじゃないか」

近藤にまで進言され、土方はいよいよ諦めざるをえなくなる。
苛立ちを抑えるように肺一杯に煙を吸い込み、灰皿にグリグリと煙草を押し付けると、ドスのきいた声で「仕方ねぇ」と呟いた。

「終始俺の監視付きだ。気なんか抜かせねぇぞ」
「成る程。土方さんは風呂も着替えも監視すると……どんだけムッツリなんでィ」
「んなわけあるか!妙な濡れ衣着せんじゃねぇよ!!」
「私は別に構いませんよ」
「遼ちゃん、若い女の子がそんな事言わないの!大丈夫、そんなデリカシーの無い事しないから!」

平然と答える遼に、近藤の方が赤くなってしまう。

「裸くらい、見たいなら幾らでも見てもらって構いませんよ。減るもんじゃないですし」
「何でそんなにやさぐれちゃってるの?!」
「構わねぇつってんだ、ここで脱いで貰いましょうぜ」
「後悔、しないで下さいね」

沖田の挑発に乗り帯に手を掛けた遼を、近藤が慌てて止める。

「ちょっ、ちょっと待って!待って!流石にそれはマズいって!!総悟も、変な挑発しないの!」
「何でィ、折角いい見世物が始まる所だったのに」
「遼ちゃん!裸になんかならなくていいからね!!」
「ガキの裸なんざ、こっちから願い下げだって言うんだ。んなコトより、言わなきゃならねぇ事があるんじゃねぇか」

煙草をくわえたままの土方に凄まれ、遼は姿勢を正した。

「履歴書なら、局長さんにお渡ししてますよ」
「ナメてんのか」
「聞きたいことがあるなら、ハッキリ仰って下さい」
「テメェの素性と目的だ」
「神武遼です。年は十八。出身は周防。両親は既に他界していて、親類縁者もおりません。これでいいですか?」

まくし立てた遼に、流石の土方も僅かに気圧される。

「それに、真選組に入隊したい目的なんて、ひとつしか有りませんよね」

真選組の本質は、対テロリストの武装警察だ。捕縛対象は主に攘夷浪士。
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