第3章 騎士と犯罪者
「っ、ぅ…」
「…はぁ、大丈夫だ。傷も深くは無い…後はこうしていれば…んっ」
血が止まるように何度も舌を這わせて傷を舐めるグレンさん。唇と舌が私の血で赤く染まり生々しい。そして彼の伸び放題の髭も私の腿を擽る。
「っ…」
くすぐったさにふるりと震えた。
傷口はかなり上の方で、ほぼ足の付け根の内腿辺りまで伸びている。なので下着のすぐ側に傷口がある訳で、そこを舌で舐められる感覚ととてつもない恥ずかしさにどうしていいのかわからなくなった。
彼の舌は彼の体と同じく、大きくて肉厚で、そして自由自在に動き回った。たっぷりと唾液が絡められた舌は、ただ私の傷を癒す為に必死になっている事がわかる。
だから、私がこんな事を気にしているのが変なのだ。
舌が下着のすぐ側を舐める。足の付け根の、柔らかで敏感な皮膚を擽り、そこを何度も舌がかすめる。
「ふっ、く…」
思わず声を上げそうになり手で口を押さえた。グレンさんはただ傷の手当をしてくれているだけ、だから変な事を考えちゃ駄目っ。
そう自分に言い聞かせても、キュンと下腹部が締め付けられるように震えてしまう。息を詰め、必死で我慢した。
それでも段々と呼吸が荒くなる。
「ふっ、ふぐっ…あっ」
ザラリとグレンさんの髭が腿の柔肌に触れて我慢出来ずに体が大きく跳ねた。
「…ん、すまない、痛かったか?」
「ん、はぁ、はぁ…っ、いえ、その、痛い、とか、では、なくて…その…」
どう言えば良いのか、恥ずかしさに目が潤み顔が真っ赤になっているのを感じながら視線を逸らした。
何故かそんな私をじっと見ているグレンさんの視線を感じる。
私の顔をじっと見て、そして破れたシャツから見える胸元に視線が移り彼の喉が上下した。彼の手も心無しか震えている。
その射るような視線がいたたまれなくて胸元のシャツをかき寄せた。
「あ、あの、見ないで下さ…っ」
抗議しようとした所で、また舌が動き出した。心無しか先程より荒々しい。その舌は、もっと上へ。下着のすぐ側まで移動すると下着と肌の境い目、そこをチロチロと舌先で舐め始めたのだ。
「やぁ、そこ傷じゃな…っ」
熱い吐息がぶつかる。
グレンさんの指が私の下着を横へとずらした。
「あっ」
隠すものが無くなった大事なところが期待にヒクンと動く。するとゴクリと喉を鳴らしたグレンさんが、私のそこへかぶりついた。